社会保険料計算(令和8年度・協会けんぽ)
給与から引かれる社会保険料は「標準報酬月額 × 保険料率 ÷ 2(労使折半)」で計算します。雇用保険料だけは標準報酬月額ではなく、その月の実際の賃金総額に本人負担率をかけます。たとえば東京都で40〜64歳、一般の事業、月給30万円なら、本人負担は健康保険料14,775円、介護保険料2,430円、子ども・子育て支援金345円、厚生年金保険料27,450円、雇用保険料1,500円の合計46,500円で、所得税・住民税を引く前の手取りは253,500円です。

令和8年度に使う保険料率
協会けんぽ(全国健康保険協会)の健康保険料率は都道府県ごとに違い、令和8年度の料率は令和8年3月分(4月納付分)から使われます。全国平均は9.9%です。
| 項目 | 料率(労使合計) | 本人負担 |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 都道府県別(東京都9.85%、大阪府10.13%など) | 半分 |
| 介護保険料 | 1.62%(40〜64歳のみ) | 半分 |
| 子ども・子育て支援金 | 0.23% | 半分 |
| 厚生年金保険料 | 18.3% | 半分 |
| 雇用保険料(一般の事業) | - | 5/1000 |
健康保険料率がいちばん低いのは新潟県の9.21%、いちばん高いのは佐賀県の10.55%です。月給30万円の人なら、新潟県と佐賀県では本人負担の健康保険料が月に2,010円違います。
| 都道府県 | 健康保険料率 | 標準報酬月額30万円の本人負担 |
|---|---|---|
| 新潟県 | 9.21% | 13,815円 |
| 東京都 | 9.85% | 14,775円 |
| 大阪府 | 10.13% | 15,195円 |
| 北海道 | 10.28% | 15,420円 |
| 佐賀県 | 10.55% | 15,825円 |
ページ下の一覧表で全都道府県の料率を確認できます。
事業の種類と残業が多い月の雇用保険料
雇用保険料は、ほかの保険料と計算のしかたが違います。標準報酬月額ではなく、その月に実際に支払われた賃金の総額に本人負担率をかけるため、毎月の金額が変わります。
一般の事業で、普段は30万円の月給が、残業の多かった月に34万円になったとします。雇用保険料は300,000円 × 5/1000 = 1,500円から、340,000円 × 5/1000 = 1,700円に増えます。一方、健康保険料や厚生年金保険料は標準報酬月額で計算するので、その月だけ増えることはありません。
建設の事業や、農林水産・清酒製造の事業では本人負担率が6/1000になり、月給30万円なら1,800円です。計算機では事業の種類を選ぶと、この率に切り替わります。
月給30万円の給与明細で計算してみる
東京都の会社に勤める45歳、一般の事業、基本給と手当を合わせた月給が30万円の人を例にします。報酬月額30万円は標準報酬月額30万円の等級に当てはまります。
- 健康保険料:300,000円 × 9.85% ÷ 2 = 14,775円
- 介護保険料:300,000円 × 1.62% ÷ 2 = 2,430円
- 子ども・子育て支援金:300,000円 × 0.23% ÷ 2 = 345円
- 厚生年金保険料:300,000円 × 18.3% ÷ 2 = 27,450円
- 雇用保険料:300,000円 × 5/1000 = 1,500円
合計は46,500円で、月給のおよそ15.5%にあたります。ここから所得税と住民税がさらに引かれるので、実際の振込額はこの253,500円より少なくなります。39歳以下なら介護保険料2,430円がかからず、合計は44,070円です。
1円未満の端数はどう処理するか
本人負担額に1円未満の端数が出たとき、給与から控除する場合は「50銭以下は切り捨て、50銭を超えたら切り上げ」です。四捨五入とは50銭ちょうどの扱いが違います。
たとえば東京都の35歳で標準報酬月額が41万円の場合、健康保険料は410,000円 × 9.85% ÷ 2 = 20,192.5円です。端数がちょうど50銭なので切り捨てて20,192円になります。給与明細の金額が電卓の結果と1円ずれているときは、この端数処理を確かめてみてください。
東京都の月給別 社会保険料(本人負担・月額)
協会けんぽ東京支部(健康保険料率9.85%)、一般の事業、令和8年4月分以降の料率です。
| 月給 | 健康保険 | 支援金 | 厚生年金 | 雇用保険 | 合計(40歳未満) | 合計(40〜64歳) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 200,000円 | 9,850円 | 230円 | 18,300円 | 1,000円 | 29,380円 | 31,000円 |
| 250,000円 | 12,805円 | 299円 | 23,790円 | 1,250円 | 38,144円 | 40,250円 |
| 300,000円 | 14,775円 | 345円 | 27,450円 | 1,500円 | 44,070円 | 46,500円 |
| 350,000円 | 17,730円 | 414円 | 32,940円 | 1,750円 | 52,834円 | 55,750円 |
| 400,000円 | 20,192円 | 471円 | 37,515円 | 2,000円 | 60,178円 | 63,499円 |
| 500,000円 | 24,625円 | 575円 | 45,750円 | 2,500円 | 73,450円 | 77,500円 |
令和8年度 都道府県別 健康保険料率(協会けんぽ)
令和8年3月分(4月納付分)から。表の率を会社と本人で折半します。40〜64歳は介護保険料率1.62%が加わります。
| 都道府県 | 健康保険料率 | 40〜64歳(介護込み) |
|---|---|---|
| 北海道 | 10.28% | 11.90% |
| 青森県 | 9.85% | 11.47% |
| 岩手県 | 9.51% | 11.13% |
| 宮城県 | 10.10% | 11.72% |
| 秋田県 | 10.01% | 11.63% |
| 山形県 | 9.75% | 11.37% |
| 福島県 | 9.50% | 11.12% |
| 茨城県 | 9.52% | 11.14% |
| 栃木県 | 9.82% | 11.44% |
| 群馬県 | 9.68% | 11.30% |
| 埼玉県 | 9.67% | 11.29% |
| 千葉県 | 9.73% | 11.35% |
| 東京都 | 9.85% | 11.47% |
| 神奈川県 | 9.92% | 11.54% |
| 新潟県 | 9.21% | 10.83% |
| 富山県 | 9.59% | 11.21% |
| 石川県 | 9.70% | 11.32% |
| 福井県 | 9.71% | 11.33% |
| 山梨県 | 9.55% | 11.17% |
| 長野県 | 9.63% | 11.25% |
| 岐阜県 | 9.80% | 11.42% |
| 静岡県 | 9.61% | 11.23% |
| 愛知県 | 9.93% | 11.55% |
| 三重県 | 9.77% | 11.39% |
| 滋賀県 | 9.88% | 11.50% |
| 京都府 | 9.89% | 11.51% |
| 大阪府 | 10.13% | 11.75% |
| 兵庫県 | 10.12% | 11.74% |
| 奈良県 | 9.91% | 11.53% |
| 和歌山県 | 10.06% | 11.68% |
| 鳥取県 | 9.86% | 11.48% |
| 島根県 | 9.94% | 11.56% |
| 岡山県 | 10.05% | 11.67% |
| 広島県 | 9.78% | 11.40% |
| 山口県 | 10.15% | 11.77% |
| 徳島県 | 10.24% | 11.86% |
| 香川県 | 10.02% | 11.64% |
| 愛媛県 | 9.98% | 11.60% |
| 高知県 | 10.05% | 11.67% |
| 福岡県 | 10.11% | 11.73% |
| 佐賀県 | 10.55% | 12.17% |
| 長崎県 | 10.06% | 11.68% |
| 熊本県 | 10.08% | 11.70% |
| 大分県 | 10.08% | 11.70% |
| 宮崎県 | 9.77% | 11.39% |
| 鹿児島県 | 10.13% | 11.75% |
| 沖縄県 | 9.44% | 11.06% |
出典:全国健康保険協会「令和8年度 都道府県単位保険料率」「令和8年3月分(4月納付分)からの保険料額表」、日本年金機構「厚生年金保険料額表(令和8年度版)」、厚生労働省「令和8年度 雇用保険料率」。
標準報酬月額の決まり方と、報酬に含まれるもの
保険料の土台になる標準報酬月額は、原則として4〜6月に受け取った報酬の平均で決まり、その年の9月から翌年8月まで使われます(定時決定)。報酬月額には基本給だけでなく、通勤手当や残業手当なども入ります。春に残業が多かった年は、秋からの保険料が上がることがあるのはこのためです。
等級の上限と下限
- 健康保険:1等級5万8千円〜50等級139万円
- 厚生年金:1等級8万8千円〜32等級65万円
厚生年金は上限が65万円なので、それより報酬が高くても厚生年金保険料は65万円の等級で頭打ちになります。
令和8年度に変わる点と天引きのタイミング
令和8年度から、子ども・子育て支援金(料率0.23%)が健康保険料などと一緒に徴収されます。対象は令和8年4月分(5月納付分)からで、給与からの天引きは原則として5月支払いの給与から始まります。4月の給与明細には載っていなくても、5月から数百円増えるのはこの支援金です。
健康保険料率と介護保険料率(1.62%)の新しい料率は令和8年3月分から適用されます。雇用保険料の本人負担率は、令和8年4月1日から令和9年3月31日まで、一般の事業が5/1000、農林水産・清酒製造の事業と建設の事業が6/1000です。
賞与の保険料と、この計算の対象外になるもの
ボーナスにも保険料がかかります。土台は標準賞与額で、賞与額の1,000円未満を切り捨てた額です。上限は健康保険が年度の累計573万円、厚生年金が1か月あたり150万円です。
たとえば賞与が523,456円なら標準賞与額は523,000円で、厚生年金保険料の本人負担は523,000円 × 18.3% ÷ 2 = 47,854.5円、50銭なので切り捨てて47,854円です。
この計算機は協会けんぽの加入者向けです。健康保険組合に加入している人は料率が異なるため、組合の料率で計算し直してください。また、所得税・住民税は含んでいないので、表示される手取りは税金を引く前の目安です。
よくある質問
社会保険料は給与のどれくらいが目安ですか?
40〜64歳で東京都の協会けんぽ、一般の事業の場合、月給30万円で46,500円、およそ15.5%です。39歳以下は介護保険料がかからないため少し下がります。都道府県や年齢で変わるので、計算機に入力して確かめてください。
子ども・子育て支援金はいつから引かれますか?
令和8年4月分(5月納付分)からで、給与からの天引きは原則5月支払いの給与からです。料率は全国一律0.23%で、本人負担はその半分です。
介護保険料は何歳からかかりますか?
40歳から64歳までの人(介護保険第2号被保険者)が対象です。料率は全国一律1.62%で、本人負担はその半分です。
残業代や通勤手当も保険料の計算に入りますか?
入ります。報酬月額には基本給だけでなく、通勤手当や残業手当なども含まれます。標準報酬月額は原則4〜6月の報酬の平均で決まり、9月から翌年8月まで使われます。
健康保険組合に入っている場合も使えますか?
健康保険組合は料率が協会けんぽと異なるため、この計算機の健康保険料はそのまま当てはまりません。厚生年金保険料(18.3%)の考え方は同じです。
残業代計算時間外・60時間超・深夜・休日の割増まで
時給計算時給→月収・年収、月給→時給
金利・複利計算単利・複利、毎月積立、税引後の利息